株式会社アイアセット

山口県下松市の不動産会社 株式会社アイアセットのブログです。

この間、本屋で「一度は行って見たい絶景 」とか何とかいう本に見とれてしまいまして・・・
購入してペラペラと見ています。

こんな感じですよ。


ブータンにあるタクツァン僧院というところです。
断崖絶壁に建っているお寺ですね。
ここに行こうとすると、結構大変なんですって。

良く建築したなあと思いますが、地震とか大雨とかで崩れないんですかね？

GoogleMapでもご覧になれます。
下のリンクをクリックしてみてください。
↓
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今日はこんなお話です。

新年になってからも、弊社が去年造成分譲した土地のお引渡し作業をしています。
既に、着工された区画もあるようですが、新築工事はワクワクしますね。
この度の分譲地は全区画平坦でしたので、擁壁やガケ等なかったのですが・・・・・
実は、崖（隣接地と高低差）がある土地は山口県建築基準条例に気をつけなくてはなりません。

その山口県建築基準条例の中でも特に気をつけなければならないのが、「第７条の擁壁の設置」です。
通称、「ガケ条例」と呼ばれています。
以下に条文そのまま記載しておきます。

第７条
高さが２ｍを超える崖の上又は下に建築物を建築する場合において、当該建築物が次に掲げる範囲内にあることとなるときは、擁壁を設けなければならない。
ただし、建築物の規模若しくは構造又は崖の土質により安全上支障が無いと認められるときは、この限りではない。
１．崖の上においては、その崖の下端からの水平距離がその崖の高さの1.5倍以内
２．崖の下においては、その崖の上端からの水平距離がその崖の高さの1.5倍以内

そのまま読むと全然わかりませんね(笑)

という事で、山口県がその条例の趣旨や用語を説明した書類を出していただいているので、その中から、この「ガケ条例」についての説明図を転載しました。
こんな図がついています。（わかりやすくするため、色は当社で着色ししています。）
赤がガケ下、青がガケ上 に関することです。
※図はクリックすると拡大されます。


※山口県建築基準条例及び建築基準法施工細則の解説より抜粋して着色

簡単に言うと、「２ｍ以上の高低差がある崖の上と下の土地に家を建てるときには建物をがケから離してね」 という事なのですが・・・
実は、結構この条例怖いんですよ。
土地の値段や価値に、思いっきり関係があるのに、皆さん見落としていることが多いです。
不動産業者よりも建築業者の方が詳しいと思います。

今回はガケ下の話に特化してお話しします。（ガケ上は次回）

簡単な図ではなくて、具体的に２ｍ以上の高低差がある土地をイメージして、平面図と断面図を以下に描いてみました。


左が平面図、右が断面図です。
平面図を見てくださいね。
このピンク色に塗った部分には家を建てられません！
だから、白い所にしか建物が建築できません。
本当にこんな土地があったら、どう使うんでしょうね(笑)

ガケの高さ（隣接地との高低差）を境界点からではなく、ガケの上端から水平距離で高低差の1.5倍以内は建物が建築できないんですね。
土地の価値は、自由に建築できるかどうかで決まりますから、自由に建築できないピンク色の部分は、自由に建築できる白い部分とでは価値が違うはずです。
どちらが価値が高いかは説明しなくてもわかりますよね。
周辺の土地が、仮に坪単価20万円だとしたら、白い部分は20万円かもしれませんが、ピンク色の部分はどうなるのでしょうか？
安くなって当たり前だと思います。
だって、自由に使えないんですから。

ピンク色の部分を自由に使えるような工事等をやって初めて、白い部分と同じ価値になるのだと思います。
その工事費を売主が負担するのか、買主が負担するのかで、土地の価格は変わって当然ですね。
買主が負担するのであれば、その工事費分は安くなければおかしいですよね。
この工事は、県の許可が必要な工事になるので、結構大変ですよー

知らずに買っちゃうと怖いですねー

ただし、ガケによっては、このように規制を受けないガケもあります。
弊社では、確認してお客様にはキチンとお話しております。

ここまではガケ下の話です。

先に言っておきますが、ガケ上の方が対策を講じやすく、ガケ下ほど大変ではありません。
実はガケ上の場合は、建物の基礎に杭を打つことで、この条例から逃れることが出来ます。
長くなるので、このガケ上の話は、次回にいたしましょう。

弊社のある、山口県周南地区には、過去に大規模に造成分譲された団地内の石積みの擁壁や、遠い昔は田んぼばかりだったところに農家の方が自分で積んだ石積みのガケなんかが沢山あります。
現在、家が建っているところでも、今からの建て替えの時に、この条例が立ちはだかる事もあるようです。
新規の分譲地にも、上の図のような土地があるみたいですよ～
お気を付けください。

では、次回は、ガケ上のお話をいたします。